プロフィール
2025.12.11投稿
アッサラーム・アライクム!(こんにちは!)
はじめまして。北海道の西側、日本海から吹き付ける強風で髭が凍りついている男、ブログ管理人のアブ・イサムです。
私の家の窓からは、夏は息をのむような「積丹ブルー」の海が、冬はすべてを覆い尽くす真っ白な雪原が見えます。 「あれ、ここ日本だよね?」と自分でもたまに疑いたくなるような、そんな「僻地」と呼ばれる場所で暮らしています。
家族は、愛する妻と、反抗期に片足を突っ込みかけた小学5年生の息子、イサム。 このブログは、そんな私たち家族が、大自然の中で右往左往しながらもたくましく生きる、笑いと涙(主に毎朝の雪かきの辛さによる涙)の記録です。
アブ・イサムって誰?
「なんでそんな怪しい名前なの?」とよく聞かれます。
実は私、以前仕事の関係でシリアという中東の国に数年間住んでいました。 アラビア語では、親しみを込めて「〇〇のお父さん」という呼び方をするのが粋とされていて、私も現地では「イサムの父」という意味の「アブ(父)・イサム」と呼ばれていたんです。その響きがとても気に入って、そのままブログの名前にしました。
中東では気温50度の砂漠でラクダ肉を頬張り、今は氷点下10度の北海道でホッケを焼いている。我ながら、随分と気温差の激しい、極端な人生を選んだものだと思います。
なぜ、わざわざ「僻地」へ?
よく言われます。「都会の方が絶対に便利でしょ?」「子供の教育とか将来、大丈夫?」って。
ええ、おっしゃる通りです。ここにはおしゃれなカフェもなければ、有名な進学塾もありません。Amazonからの荷物は、冬場は天候不良で予定通りに届きません(笑)。
でもね、都会にいた頃の私は、いつも何かに追われていました。 満員電車に揺られて会社に行き、高い家賃や生活費のために働き、週末は疲れ果てて泥のように眠るだけ。平日は息子の寝顔しか見ていないような日々でした。
ふと立ち止まった時、「これじゃ、何のために働いてるのかわからないな」と思ったんです。家族を幸せにするために働いているはずなのに、一番大切な家族との時間を犠牲にしている矛盾。
そう思って、思い切って舵を切ったのが、この北海道への移住でした。 中途半端な田舎ではなく、どうせなら自分たちが美しいと思う、とびっきりの大自然の中に飛び込んでやろうと決めたのです。
中東での生活は、私に「常識を疑う」視点を授けてくれました。日本で当たり前だと思われている「都会での競争社会」「高コストな教育熱」は、世界の物差しで見れば一つの特殊な事例に過ぎません。
帰国後、私は日本の現状を冷静に分析しました。 高騰し続ける都市部の不動産価格、待機児童問題、過熱する中学受験戦争…。多くの父親たちが、家族を幸せにするために働いているはずが、ローン返済と長時間労働に追われ、肝心の家族との時間を犠牲にしているという矛盾。
「これは、持続可能なモデルではない」 そう判断した私は、生活の拠点を根本から見直すことにしました。
僻地というブルーオーシャン
私が選んだ北海道の村は、いわゆる「過疎地」です。しかし、ビジネス的な視点で見れば、ここは魅力的な「ブルーオーシャン」でした。
1. 圧倒的な経済的メリット(固定費の削減)
都会で狭いマンションに支払う家賃の半分以下で、ここでは庭付きの広い一軒家に住めます。食費も、豊かな自然の恵み(お裾分け文化)のおかげで劇的に下がります。生活の固定費を極限まで下げることで、経済的な自由度と精神的な余裕が生まれます。
2. 教育環境の質の転換(認知能力から非認知能力へ)
都会の教育が「塾での知識詰め込み(認知能力)」に偏りがちなのに対し、僻地では大自然の中での実体験を通じて「生きる力、工夫する力、忍耐力(非認知能力)」が育まれます。AIが台頭するこれからの時代、どちらの能力がより重要になるでしょうか? 私は後者だと確信しています。また、少人数の学校ならではの手厚い教育も魅力です。
3. 時間資源の確保
満員電車の通勤時間がゼロになり、その分を息子と釣りに行ったり、スキーをしたり、語り合ったりする時間に充てられます。「時間」こそが最も貴重な資源です。
僻地暮らしのリアルな幸せ
ここでの生活は、毎日がアドベンチャーです。
息子は学校から帰ると、ゲーム機ではなく釣竿を手に取り、「父ちゃん、釣り行こう!」と目を輝かせます。夕飯のおかずは、自分たちで釣った新鮮な魚。冬になれば、家の裏山が彼専用のスキー場になります。
都会では高いお金を払って「体験」させていたようなことが、ここでは日常の風景そのものです。 塾や習い事に追われる代わりに、息子は焚き火の起こし方を覚え、風の向きで天気を読むことを学びました。たくましく育っていくその背中を見るたびに、「ああ、ここに来て正解だったな」と心から実感します。
もちろん、僻地暮らしには不便さもあります。冬の猛吹雪は命がけですし、都会のような刺激的な娯楽はありません。
しかし、それらのデメリットを補って余りあるメリットが、ここにはあります。 「僻地=都落ち」ではありません。「僻地=賢い戦略的撤退であり、豊かな前進」なのです。
読者のみなさんへ
このブログ「賢いパパは「僻地」に住む」では、そんな「僻地暮らしのリアル」を、アブ・イサムの視点でお届けします。
移住の良い面ばかりを強調する「キラキラした田舎暮らし」を発信するつもりはありません。 不便なこと、大変なこと、田舎ならではの人間関係の面白さ(と難しさ)。全部ひっくるめて、笑ってお伝えできればと思います。
都会の暮らしにちょっと疲れちゃったお父さん、お母さん。 「こんな生き方もあるんだな」と、温かい飲み物でも片手に、肩の力を抜いて読んでいただければ嬉しいです。
さあ、今日もこれから一仕事。家の前の雪山が私を待っています。 それでは、ブログの記事の中でお会いしましょう!
