地域おこし協力隊は『戦略物資』だ!僻地移住の最強ツールを使い倒す、賢いパパの戦術論

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アッサラーム・アライクム! (あなたの上に平安がありますように)

北海道の日本海側、陸の孤島とも言える「僻地」からお届けしています、アブ・イサムです。

今朝も日課の雪かきで腰が悲鳴を上げています。中東の砂漠で浴びていた灼熱の太陽が恋しくなる瞬間ですが、目の前に広がる真っ白な世界と、その向こうにある鉛色の海を見ていると、不思議と心が落ち着くのも事実です。人間、極端な環境に身を置くと感覚が研ぎ澄まされるのかもしれませんね。

さて、私のブログには、都会の競争疲労から抜け出し、地方移住を検討している方々からの相談がよく届きます。その中で最も多い悩みがこれです。

「移住はしたいけれど、仕事がありません。どうやって生計を立てればいいのでしょうか?」

至極真っ当な悩みです。霞を食って生きていくわけにはいきませんからね。

そんな時、私が必ず提案する選択肢があります。それが「地域おこし協力隊」です。

今回は、この制度を単なる「地方の求人情報」としてではなく、僻地へ移住し、賢く豊かに暮らすための最強の「戦略物資」として捉え直す、アブ・イサム流の戦術論をお話しします。


灼熱の砂漠で学んだ「よそ者」の処世術

私はかつて、中東の国々で働いていました。見渡す限りの砂漠、気温50度を超える灼熱の世界。そこでは、文化も言語も宗教も、私がそれまで知っていた常識とは全く異なるルールが支配していました。

当然、私は完全なる「よそ者」です。現地のビジネスパートナーやコミュニティから信頼を得るためには、彼らの流儀(プロトコル)を理解し、尊重する姿勢が不可欠でした。自分のやり方を押し付けるのではなく、まずは相手の懐に飛び込む。それが、砂漠で生き残るための唯一の戦略だったのです。

実は、日本の地方、特に私が住むような「僻地」に移住することも、これと全く同じ構造を持っています。

都会でどんなに輝かしいキャリアを持っていたとしても、その土地においては、あなたは新参者の「よそ者」に過ぎません。いきなり「都会の論理」を振りかざして地域を変えようとしても、反発を招くだけです。

ここで「地域おこし協力隊」という制度が持つ意味が浮かび上がってきます。

この制度は、あなたがその土地の「公的な構成員(準公務員的な立場)」として、地域コミュニティに入っていくための「通行手形」のような役割を果たしてくれます。いきなり個人の移住者として飛び込むよりも、役場や地域住民との接点が圧倒的に作りやすいのです。

中東で私が学んだ教訓は、「人間関係は面倒だが、最強のセーフティーネットである」ということでした。僻地での生活も同じです。困った時に助け合える関係性こそが、何よりの財産になります。協力隊の活動は、まさにそのセーフティーネットを構築するための初期投資期間と言えるでしょう。

「お試し移住」ではない。これは3年間の「戦略的モラトリアム」だ

地域おこし協力隊の任期は、最長で3年間です。この期間をどう捉えるかで、その後の人生は大きく変わります。

多くの人がこの制度を「給料をもらいながら田舎暮らしを体験できる、ちょっとお得なお試し期間」程度に考えているかもしれません。しかし、私に言わせれば、それはあまりにも「コスパ」が悪い考え方です。

この3年間は、国と自治体があなたの最低限の生活費(ベーシックインカム)を保証してくれている間に、次の人生の基盤を築くための「戦略的モラトリアム」の期間なのです。

都会での生活は、家賃や高い物価のために、常に「稼ぐこと」に追われがちです。精神的な余裕を失い、認知能力(偏差値や年収)ばかりを追い求める競争に疲弊してしまう。

しかし、協力隊として僻地に来れば、経済的なプレッシャーから一時的に解放されます。その間に何をするか。

  • 「消費」から「生産」へのシフト: 都会的な消費生活を見直し、自分で野菜を育てる、魚を釣る、家の修理を覚えるといった「生産」のスキルを身につける。
  • 非認知能力の鍛錬: マニュアルのない田舎の課題に向き合うことで、忍耐力、コミュニケーション能力、問題解決能力といった「生きる力」を養う。
  • 起業・複業の準備: 任期終了後の生業(なりわい)を見つけるために、地域の資源をリサーチし、スモールビジネスの実験を繰り返す。

これらは、都会で会社員をしながらでは、時間的にも精神的にもなかなか難しいことです。それを、給料をもらいながら堂々とできる。こんなに「賢い」投資期間は他にありません。

ただし、重要なのは「3年後」のビジョンを常に持ち続けることです。漫然と日々を過ごしてしまえば、任期終了と同時に放り出され、途方に暮れることになります。戦略なきモラトリアムは、ただの漂流でしかありません。

僻地の現実は甘くない。だからこそしたたかに「計算」せよ

ここまで良いことばかり書いてきましたが、現実はそう甘くはありません。私も雪かきの辛さには毎回泣かされていますが、それと同様に、協力隊の活動にも特有の難しさがあります。

よくあるのが、「ミッションの曖昧さ」と「人間関係の板挟み」です。

自治体側が協力隊に何を求めているのかが不明確だったり、「若い人が来たから何でもやってくれるだろう」という過度な期待を寄せられたりすることがあります。また、役場の論理と地域住民の感情の間で板挟みになり、疲弊してしまう隊員も少なくありません。

ここで必要なのが、私が好きな言葉である「戦略的なしたたかさ」です。

全てを完璧にこなそうとしてはいけません。真面目すぎる人は潰れてしまいます。自分の精神的な余裕を確保することを最優先にしてください。

その上で、自分の得意なこと、やりたいことと、地域が求めていることの「重なり合う部分」を見つけ出し、そこに一点集中するのです。

例えば、あなたがITに強いなら、農産物のECサイト構築を手伝うことで、農家さんの信頼を得られるかもしれません。デザインができるなら、観光パンフレットを刷新することで、観光協会の力になれるかもしれません。

「自分は何を提供できるか(Give)」を常に意識し、それを地域の課題解決に繋げることで、あなたの存在価値は高まります。そして、その実績が、任期終了後の仕事や信頼関係に直結していくのです。

時には「できないことはできない」と断る勇気も必要です。自分のキャパシティを見極め、賢く立ち回る。それもまた、僻地で生き抜くための重要なサバイバルスキルです。


まとめ:環境を味方につける者が、最後に笑う

地域おこし協力隊という制度は、僻地への移住を志す者にとって、使い方次第で「プラチナチケット」にもなり得る強力なツールです。

重要なのは、「制度に使われる」のではなく、主体的に「制度を使い倒す」という意識を持つことです。

灼熱の砂漠であれ、極寒の雪国であれ、賢く生きる者は、その過酷な環境さえも味方につけます。「不便さ」を逆手にとって「豊かな時間」に変え、「しがらみ」を「セーフティーネット」に変えていくのです。

もしあなたが、今の生活に息苦しさを感じ、自然の中での人間らしい暮らしを求めているのなら。そして、そのための具体的な手段を探しているのなら。

一度、「地域おこし協力隊」という選択肢を、戦略的な視点から真剣に検討してみてはいかがでしょうか。

あなたのその一歩が、豊かな人生への入り口になることを祈っています。

それでは、マアッサラーマ!(またお会いしましょう!)

アブ・イサム

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